柑橘の伝来
柑橘の原種は3000万年前のインド東北部のアッサム地方近辺を発祥とし、様々な種に分化しながらミャンマー、タイ、中国等へ広まったとされる。中国においては古くから栽培が行われており、戦国時代に完成したとされる文献『晏子春秋』には「橘化為枳」(橘、化して枳と為る。境遇によって元の性質が変化するという意)との故事が記されている。
日本にはタチバナと沖縄にシークヮーサーが原生していたが、3世紀の日本の様子が書かれた『魏志倭人伝』には「有薑橘椒?荷不知以爲滋味」(生薑、橘、山椒、茗荷があるが、それらを食用とすることを知らない)と記されており、食用とはされていなかったと考えられる。
日本の文献で最初に柑橘が登場するのは『古事記』『日本書紀』であり、「垂仁天皇の命を受け常世の国に遣わされた田道間守が非時香菓(ときじくのかくのみ)の実と枝を持ち帰った(中略)非時香菓とは今の橘である」(日本書紀の訳)との記述がある。ここでの「橘」はタチバナであるともダイダイであるとも小ミカン(キシュウミカン)であるとも言われており、定かではない。
その後も中国からキンカンやコウジ(ウスカワミカン)といった様々な柑橘が伝来したが、当時の柑橘は食用としてよりもむしろ薬用として用いられていた。
主要ブランド
<有田みかん>
有田川流域で栽培される和歌山県の代表的ブランド。高級ブランドとして「新堂みかん」「田村みかん」等がある。
<紀南みかん>
和歌山県田辺市及び周辺市町村で栽培されるブランド。高級ブランドとして「大坊みかん」
<愛媛みかん>
高級ブランドとして「日の丸みかん」「真穴みかん」等を栽培。温州みかんではないが、「いよかん」は全国的に有名。
<蒲郡温室みかん>
愛知県で栽培されるハウスみかんのブランド。他に「みはまっこ」等がある。
<河内みかん>
熊本県熊本市河内町の金峰山山麓の西側で多く栽培されているブランド。
<三角みかん>
熊本県宇城市三角町で多く栽培されているブランド。温州みかんではないが、熊本県果実連合会が登録商標を持つデコポンでも有名。
<静岡みかん>
三ケ日みかん等が有名。高級ブランドとして「ミカエース」がある。
<大長みかん>
広島県の高級ブランド。「おおちょうみかん」と読む。大崎下島と大崎上島、豊島を中心に栽培される。広島には別に広島みかん、因島みかんなどがある。
<湯河原みかん>
温暖で温泉地でもある湯河原は柑橘の産地でもあり消費地としても盛んなため、一年中小売できるように一つの畑で数十品種を栽培している農家も多い。温州みかんではないが、ゴールデンオレンジ(黄金柑)が一番人気のある品種である。
<長崎みかん>
温暖で西海、諫早地方が産地である長崎県は柑橘の産地でもある。西海のさせぼ温州にはブランド味っ子があり、その中でも最高峰となっている出島の華は14度以上という糖度が保証されている。
食用
ミカンのおいしさは、含まれている糖と酸の量・バランスやホロの薄さなどによって決まる。糖度が高いことは重要だが、酸の量も同様に味の決め手になる。
生食されることが多く、内皮を丸ごと食べる人と食べない人で個性も分かれている。また、むき方も「へそ」からむく方法と、へたからむく方法と、刃物で切る方法とさまざまある。
他に北陸地方、東北地方、九州地方など地域によっては焼きミカンといって焼いて食べる所もある。また凍らせて冷凍みかんにしたり、お風呂に入れて食べたり、下記のように用途に応じて様々な加工品も作られている。ミカンの全生産量の約2割はジュースや缶詰に加工されている。
<缶詰>
そのまま食べるか、ケーキなどのトッピングに使用する。
<ジュース(特に安価な濃縮還元ジュースは中国産が多い)>
飲用のほか、クリームなどの材料になる。
<砂糖菓子>
主に皮の部分を使用する。よく洗った外皮を細かく切り、炒めて水気を飛ばしたものに砂糖をまぶした菓子。